176ページ | 阿夫利嶺俳句会
2021年1月25日登録
『伊豫』は私の第六句集となります。亡き夫の出自、愛媛県松山市を拠り所とした「磯千鳥亡夫育てしは伊豫の海」からの題名で、夫逝りてとりのこされた五年の歳月に瀬戸内の海の蒼さを思わない日はなかったことへの追認ともなりました。
八十八歳も通過点の一つという平常心は持ち合わせているつもりですが、区切りの意味で『依知』以后の句をまとめることを思いつきました。夫の祥月命日の五月二十四日までの二〇二〇年です。今となっては俳句が全てであったように思われ、そして何と倖せな人生だったの... 続きを見る